手に取って、組み立てて、動かす。
中村 拓海GridFlow Lab Vaultを立ち上げたのは2019年の秋です。それまでの8年間、製造業向けのERPコンサルタントとして大阪と名古屋を行き来していました。大きなシステム導入プロジェクトを何本も担当しましたが、あるとき気づいたことがあります。システムが稼働した後、現場の人たちが「触り方がわからない」と言って、結局以前のやり方に戻っていく。ツールの問題ではなく、業務の流れ自体が整理されていないまま、新しい部品を乗せようとしていたのが原因でした。
その気づきから、「まず業務を部品単位でばらす」というアプローチを試し始めました。最初のクライアントは、愛知県の金型メーカーでした。付箋を100枚以上使って、受注から出荷までの流れを床に並べた日のことは今でも覚えています。整理してみると、同じ情報を3つの部署が別々に入力していることがわかりました。その1点を直しただけで、週に約6時間の作業が消えました。派手な解決策ではありませんでしたが、チームが自分たちで「直した」という感覚を持てたことが大事でした。
中村 拓海、製造業向けERPコンサルタントとして8年間のキャリアを経て、2019年にGridFlow Lab Vaultを設立した。大阪の中堅コンサルファームで業務改善プロジェクトを担当した後、「システムより先に業務の流れを整理する」というアプローチに確信を持ち、独立。愛知、大阪、東京を中心に、製造・物流・医療事務の現場で業務フロー分解を手がけてきた。休日は古いラジオの修理を趣味にしており、「部品を一度全部出して、また組み直す感覚がコンサルの仕事と同じだ」と話す。